「確定申告ソフトはマネーフォワードがいいと聞いたけど、料金はいくら?」「無料でどこまで使えるの?」「銀行やカードとつなぐと本当にラクになる?」――独立したばかりのエンジニアやデザイナーにとって、会計ソフト選びは最初につまずきやすいポイントです。
この記事では、マネーフォワード クラウド確定申告の料金プラン・できること・使い方の流れを、公式サイトで確認できる情報をもとに整理します。2026年12月1日に個人事業主向けプランの料金改定が予定されているため、その内容もあわせて解説します。
マネーフォワード クラウド確定申告とは
マネーフォワード クラウド確定申告は、株式会社マネーフォワードが提供する個人事業主向けのクラウド会計・確定申告ソフトです。パソコンのブラウザで使うWeb版と、スマートフォンアプリがあります。インストール型のソフトと違い、ネットにつながる環境があればどこからでも同じデータにアクセスできるのが特徴です。
公式サイトの機能ページでは、主な機能として次のものが紹介されています。
- 金融機関連携:銀行口座やクレジットカードなどの明細を自動で取得
- 仕訳の自動化:取り込んだ明細から仕訳(取引の記録)の候補を作成
- 確定申告書の作成:青色申告決算書・収支内訳書(白色)、確定申告書第一表〜第四表など
- e-Tax連携:作成した申告書を電子申告で提出
- 消費税申告:原則課税・簡易課税・2割特例に対応した申告書を作成(パーソナル以上)
- レポート・資金繰り(β):収益・費用の推移や入出金予定の確認
- 税理士との連携、他社ソフトからの乗り換え
「仕訳」とは、ひとつひとつのお金の動きを「何に使った・何で受け取った」という形で帳簿に記録することです。簿記に慣れていない人にとって一番の負担になる部分を、明細の取り込みと自動の候補作成で軽くできるのが、クラウド会計ソフトを使う大きな理由です。
料金プランと無料トライアル(2026年11月まで)
公式の料金ページ(2026年10月確認)に掲載されているWeb版の料金は次のとおりです(税抜)。
| プラン | 年払い | 月払い | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| パーソナルミニ | 10,800円/年 | 1,280円/月 | 消費税申告なし。帳簿出力・各種レポートなど一部機能に制限 |
| パーソナル | 15,360円/年 | 1,680円/月 | 消費税申告(インボイス対応)、帳簿出力、メンバー追加など |
| パーソナルプラス | 35,760円/年 | なし(年払いのみ) | パーソナルの機能+電話サポート |
このほか、スマホアプリ内で契約する「パーソナルミニ アプリプラン」(月払い1,500円・税込)もあります。公式FAQでは、パーソナルミニプランと同様の機能が使える一方、クラウド確定申告以外のマネーフォワード クラウドの有償機能は使えないと説明されています。
無料トライアルの条件
料金ページによると、1ヶ月の無料トライアルが用意されており、1事業者につき1回利用できます。クレジットカードの登録は不要で、トライアル終了後に自動で有料プランへ移行することはないと案内されています。
有料プランを契約しないとどうなる?
公式FAQの機能比較表には「無料」の列があり、仕訳の登録は1会計年度あたり50件まで、ストレージは100MBまでなどの制限があります。スマホアプリからの申告書の提出も原則として有料プランが必要です(雑所得や控除のみを申告する場合は無償の状態でも利用可能と注記されています)。事業として1年分の帳簿をつけて申告するなら、有料プランの契約が前提と考えておくのが現実的です。
2026年12月1日からの料金改定
マネーフォワードは2026年9月のお知らせで、2026年12月1日(火)から個人事業主向けプランの料金を改定すると発表しています。
| プラン | 改定前 | 改定後(2026年12月1日〜) |
|---|---|---|
| パーソナルミニ アプリプラン(税込) | 月払い 1,500円 | 月払い 1,880円 |
| パーソナルミニ(税抜) | 月払い 1,280円/年払い 10,800円 | 月払い 1,680円/年払い 10,800円(年払いは据え置き) |
| パーソナル(税抜) | 月払い 1,680円/年払い 15,360円 | 月払い 2,880円/年払い 22,560円 |
| パーソナルプラス(税抜) | 年払い 35,760円 | 年払い 38,160円 |
お知らせによると、2026年12月1日時点ですでに契約している人は、12月1日以降に契約が更新されるタイミングから新料金になります。たとえば2026年11月15日に月払いで契約した場合は12月15日の更新から、年払いで契約した場合は2027年11月15日の更新から新料金が適用される、という例が示されています。
また同じ日から、パーソナル・パーソナルプラスでは「AI-OCRから入力」(レシートや書類を読み取って仕訳候補を作る機能)の1件20円(税抜)のオプション料金が廃止され、件数の制限がなくなるとされています。現行の料金ページでは、パーソナルは月31件目以降、パーソナルプラスは月101件目以降が1件20円(税抜)、パーソナルミニは月15件までとなっています。
どのプランを選べばいい?判断のポイント
プラン選びは「消費税の申告が必要かどうか」で大きく分かれます。
| あなたの状況 | 候補になるプラン | 理由 |
|---|---|---|
| 免税事業者で、インボイス登録もしていない | パーソナルミニ | 所得税の確定申告(青色・白色)とe-Taxでの提出ができる |
| インボイス登録をした/課税事業者になった | パーソナル以上 | 消費税申告はパーソナル以上でのみ利用可能 |
| 総勘定元帳などの帳簿を出力したい、税理士や家族と共有したい | パーソナル以上 | 帳簿出力・各種レポート・メンバー追加はパーソナル以上 |
| 電話で操作方法を聞きたい | パーソナルプラス | 電話サポートはパーソナルプラスのみ(操作方法の案内に限る) |
独立1年目で売上が小さく、インボイス登録もしていないなら、まずはパーソナルミニで足りるケースが多いでしょう。一方、エージェント経由や企業との直接契約でインボイス登録を求められている人は、消費税申告のためにパーソナル以上を選ぶ必要があります。
使い方の流れ|登録から確定申告まで
実際の操作画面は更新されることがあるため、ここでは大まかな流れを紹介します。
1. アカウント登録と初期設定
公式サイトからアカウントを作り、事業者情報(屋号、青色か白色か、開業日など)を設定します。青色申告にするには、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を出しておく必要があります。期限や書き方は青色申告承認申請書の期限と書き方でまとめています。
2. 銀行口座・クレジットカードを連携する
事業で使っている口座やカードを登録すると、明細が自動で取り込まれます。プライベートと事業のお金が混ざっていると仕訳の手間が増えるため、事業用の口座・カードを分けてから連携すると後がラクになります。
3. 取り込んだ明細を仕訳する
取り込まれた明細に対して、勘定科目(「通信費」「消耗品費」など)の候補が表示されるので、内容を確認して登録します。現金払いのレシートは、スマホアプリでの撮影やAI-OCRで取り込めます。毎月まとめて確認する習慣をつけると、確定申告の時期に慌てずに済みます。
4. 決算書・確定申告書を作り、e-Taxで提出する
1年分の仕訳がそろったら、青色申告決算書(または収支内訳書)と確定申告書を作成します。国民年金や国民健康保険、生命保険料などの控除もソフト上で入力できます。完成したらe-Taxで提出します。公式の料金ページでは、アプリから電子申告する場合はマイナンバーカードと、カードの読み取りに対応したスマートフォンが必要と案内されています。
確定申告の期間や準備の進め方はフリーランスの確定申告はいつからいつまで?もあわせてご覧ください。
青色申告65万円控除との関係
国税庁のタックスアンサー(No.2072)によると、青色申告特別控除は原則55万円で、一定の要件を満たすと65万円になります。65万円の控除を受けるには、55万円の要件(複式簿記での記帳、貸借対照表・損益計算書の添付、期限内の申告など)をすべて満たしたうえで、次のどちらかが必要です。
- 仕訳帳と総勘定元帳を、優良な電子帳簿の要件を満たして電子データで保存し、所定の届出書を期限までに提出している
- 確定申告書・貸借対照表・損益計算書などを、提出期限までにe-Taxで送信する
マネーフォワード クラウド確定申告は複式簿記の帳簿づけと青色申告決算書の作成、e-Taxでの提出に対応しているため、ソフトで作ってe-Taxで期限内に提出するという流れで65万円控除の要件を満たしやすくなります。ただし、ソフトを使うだけで自動的に控除が受けられるわけではありません。青色申告の承認を受けていること、期限内に提出することなど、要件は自分で確認しましょう。青色と白色の違いは青色申告と白色申告の違いで解説しています。
評判を確認するときのポイントと、契約前のチェックリスト
ネット上の評判は、使う人の業種や簿記の経験、使っていた時期によって大きく変わります。特に料金や機能は頻繁に更新されるため、数年前の口コミの料金や機能をそのまま信じないことが大切です。今回のように料金改定が予定されているタイミングでは、なおさら注意が必要です。
評判を見る代わりに、無料トライアル期間中に次の点を自分で確かめるのがおすすめです。
- 使っている銀行・クレジットカードが連携できるか、明細が問題なく取り込めるか
- 自動で出てくる勘定科目の候補が、自分の取引(サーバー代、SaaS、外注費など)に合っているか
- インボイス登録の有無と、それに合ったプランか(消費税申告はパーソナル以上)
- 月に読み取りたいレシート・書類の枚数(プランごとのAI-OCRの上限)
- 月払いと年払いのどちらにするか、更新日が料金改定(2026年12月1日)の前か後か
- e-Taxで提出するためのマイナンバーカードや対応スマホの準備
freeeや弥生など、ほかのクラウド会計ソフトにも無料期間や無料プランがあります。操作感は人によって合う・合わないがあるため、気になるソフトを実際に触って比べるのが確実です。まだ開業届を出していない人は、開業届は出すべき?も参考にしてください。
まとめ
- マネーフォワード クラウド確定申告は、明細の取り込み・仕訳・申告書作成・e-Tax提出までをまとめて行えるクラウドソフト
- Web版の有料プランはパーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラスの3つ。1ヶ月の無料トライアルあり(1事業者1回、カード登録不要)
- 無料のままでは仕訳が年50件までなど制限が大きく、事業の申告には有料プランが前提
- インボイス登録をして消費税の申告が必要なら、パーソナル以上を選ぶ
- 2026年12月1日から料金改定。既存契約は12月1日以降の更新時から新料金
- 青色申告65万円控除は、ソフトで作った申告書をe-Taxで期限内に送信するなどの要件を満たすことが必要
参考にした公式情報
- マネーフォワード クラウド確定申告|料金プラン
- マネーフォワード クラウド確定申告|機能一覧
- マネーフォワード クラウド確定申告|プランごとに利用できる機能を教えてください(FAQ)
- マネーフォワード クラウド|個人事業主向けプランの料金改定に関するお知らせ
- 国税庁|No.2072 青色申告特別控除
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。最新情報は公式サイトでご確認ください。個別の判断は税理士や専門家にご相談ください。
